石巻高校避難所トレーニングルームへ

とても綺麗な施設だった。

よく見るような、避難所の様な、段ボールの壁はなく、一面お布団を敷いてあり各々自然に自分のスペースを確保していた。

子供が多いと聞いていたトレーニングルーム。
ついてみれば、子供の姿はほとんどなく、私の母親くらいの年の方から、年配の方が多かったように思う。

ステージを組み立てる。

イスがなく、持ち込んだ救援物資のダンボールをイスにした。

私は落語家の様に正座して歌う事にした。

というのも、聴いて下さる方を見下ろすのがもともと苦手なのだけれど。

アンパンマンの歌やら仕込んでいったものは全て差し替え。

昭和歌謡や、ゆったりとした曲を多くやろうと思った。
少しいた子供たちにははみがきの歌を。

演奏開始。

少し緊張していた。

でも、挨拶をしたら皆さんの顔がとっても優しい事に気がついた。

元気なおばちゃんは、「ありがとう～ようこそ～！」

と言ってくれた。

少しホッとして、いつものコーヒーブルースから。

光るスティックを振ってくれた男の子たち。

アイドルになった気分だったよ。ありがと！

木内さん、花井さん、ありがとう。

笑顔が、何よりもうれしかったよ。

また来るからね。

終わった後、みなさんに挨拶をした。

ありがとう。

サインをしたよ。

練習してくればよかったなぁ。

今回私が行く事、背中を押してくれた川名君。

ありがとうありがとう！

みなさんからの物資も、届けてきましたからね！

何曲か歌いながら、ついにはリクエストまでいただいた。

上を向いて歩こうを被災者さんと歌った。

私も涙が出そうだったけれど。涙を流している被災者さんもいた。

みなさんの笑顔。笑顔。笑顔。

温かい拍手。

演奏が終わり、みなさんに声をかけて回った。

私はとにかくみなさんに触れたかった。

ぬくもりを交換したら、涙が出そうになった。